お祝いや贈り物で定番の胡蝶蘭(コチョウラン)は、花持ちがよくしばらくきれいに咲き続けてくれます。花が咲き終わったあと、葉だけになりますが、そのまま順調に育つと再び花芽を出してくれます。
胡蝶蘭は、花が終わったあと、なんとなく枯れてしまうイメージがありましたが、もう一度咲かせてみたい、と思いました。
ちょうど葉だけになった胡蝶蘭を分けていただいたので、昨年の秋頃から育てています。
胡蝶蘭は、土ではなく水苔で栽培されることが多く、ほかの種類の植物とお手入れ方法に少し違いがあります。
今回は、胡蝶蘭の花芽が出てきた様子について書きたいと思います。
胡蝶蘭の基本情報
胡蝶蘭(コチョウラン)
学名: Phalaenopsis aphrodite
英名: Moth orchid
目名: キジカクシ目
科名: ラン科
属名: コチョウラン属
原産地: 台湾南部、フィリピン、インドネシアなど主に東南アジアの熱帯地域
特徴: 着生植物
胡蝶蘭の花芽が出たばかりの様子
【2023年1月9日】
胡蝶蘭の花芽が出てきていました。一つだけだと思っていたのですが、右側の下の方からも花芽が出てきました。
【2023年1月16日】
1週間で、少し花茎が伸びています。
【2023年1月24日】
根と比べて、花茎は表面がツルツルしていて節があります。
まだ1月で寒い時期ですが、日中は暖房をつける部屋に置いているので、このまま順調に育ってくれるといいな、と思います。
【2023年2月27日】
2月中にも、少しずつ花芽が伸びました。根の部分も、枝分かれして少し伸びています。
3月の胡蝶蘭の花芽
【2023年3月8日】
長い方の花芽の先が切れてしまいました。花を楽しみにしていたので、残念です。しばらくこのまま伸ばして、様子を見てみようと思います。
【2023年3月17日】
左右の花芽が伸びてきています。青〇の左側の花芽の先は切れてしまったのですが、少しずつ伸びています。右側の花芽は順調に伸びています。
【2023年3月27日】
茎が長くなってきました。いくつの花が咲いてくれるか楽しみです。
【2023年3月31日】
茎が切れてしまってから、3週間ほど経過しました。よく見ると、茎の手前の節から新しく枝分かれしてきたようです。もうしばらく様子を見たいと思います。
【2023年4月10日】
切れた花茎も枝分かれして伸びてきました。
順調に伸びている花茎に、つぼみがついてきました。
【2023年4月24日】
つぼみが大きくなってきました。切れたあと再生した方の花茎もさらに伸びてきています。
4つのつぼみがついています。つぼみの表面がつやつやしています。
5月の胡蝶蘭のつぼみ
【2023年5月2日】
小さかったつぼみが大きくなってきました。つぼみの色が明るくなって、黄緑色っぽくなってきました。
また少し伸びたので、花数が増えそうです。
【2023年5月8日】
もうすぐ咲きそうです。切れてしまってから再生した花茎にも、小さなつぼみができ始めています。
【2023年5月10日】
胡蝶蘭の最初の花が開花しました。きれいな花が咲いて嬉しいです。
【2023年5月11日】
1日経って、花びらが広がりました。
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花芽を見分けるポイント
【胡蝶蘭の花芽の特徴】 ・出てくる位置が葉の付け根の中心線上 ・伸びる方向が上向き ・節がある
花芽と根は、出始めのころは先端がどちらもつやつやの黄緑色をしていて似ていますが、出てくる場所に特徴があります。
【芽の位置】
花芽は、葉の付け根の中心線上の位置から出てきますが、根はどこからでも出てきます。
【伸びる向き】
基本的に花芽は上向き、根は下向きに伸びますが、上向きに伸びる根もあったりするので、判別しにくいこともあります。
最初はわかりにくいのですが、伸びてくると花芽と根の違いがはっきりしてきます。
【節の有無】
花芽には節がありますが、根は節がなく全体的に白い膜のようなものがかかってきたり、緑色の残っている部分には小さな白い点の模様が入ったりします。
開花の時期
一般的に、コチョウランは春(3月〜5月頃)に咲きます。
花芽の分化から開花まで
気温が18℃まで下がることによって花芽分化するので、室温を調整できれば開花の時期を調節できます。
コチョウランの花芽は、18℃程度で作られます。最低気温18℃の環境で1ヶ月くらい(20日〜40日)続くと花芽が伸びてくると言われています。
大型の胡蝶蘭は40日、中型のミディは20日、小型のミニ胡蝶蘭は株が充実すると花芽ができます。
花芽がついた後もできるだけ最低気温が15℃以上の環境にするようにします。
比較的温かく日光も当たる場所で育てると、花芽ができてから2ヶ月から3ヶ月後に開花します。
温室がない場合、10月にできた花芽が冬の寒い時期にはそのままで、気温が上がってきてから花茎が伸びて3月から5月に開花するパターンが多いようです。
開花してから1〜3ヶ月花を楽しめます。
花が終わったあと茎を切ると、二番花の花茎が伸びて咲くこともあります。
胡蝶蘭の水やり
胡蝶蘭は、葉と根から空気中の水分を取り入れています。霧吹きで葉と表面に出ている根に水分を補充させることも効果があります。
霧吹きだけでなく、根元の水苔が乾燥してきたら水をあげます。分厚い葉と根に水分を保持して、乾燥に強い植物です。
生命力が強く、肥料は少なくて大丈夫なようです。
胡蝶蘭は暖かい地域のランなので、冬期に最低温度が15℃以上、生育させるには18℃以上が目安です。
【着生植物としての特徴】
コチョウランは原産地が東南アジアなどの熱帯地域で、着生植物という種類で、木の幹や枝に着生して雨水や空気中の水分を取り入れて生きています。
たくさん雨が降ったり湿度が高い気候ですが、雨が降らない日が続くこともあり、水分を蓄えたり蒸散を抑えて乾燥に耐えられるようになっています。
胡蝶蘭を園芸で育てる場合は、土ではなく水苔が植え込み材として使われています。
土を必要としないので、少ない水での水耕栽培や、板や流木に水苔と一緒に固定させて着生植物らしい姿で仕立てる方法もあります。
まとめ
胡蝶蘭は、着生植物なので土ではなく水苔に植えたりするので難しそうだなと感じていましたが、半年ほど枯れずに育ってくれています。
比較的温かく日当たりの良い場所があると育ちやすいと思います。
夏の時期には、花が終わって葉だけですし、古い葉が黄色くなって少なくなっていたので心配でしたが、古い根を取り、新しい水苔に変えて植え替えてから新しい根が出てきて安定しました。
花芽が出てくると、育てていて楽しみが増してきました。
また続けて、花芽の生長を見守っていきたいと思います。
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